丹後地方は一年を通じて色んな種類のイカが水揚げされています。
一般的には、春~夏は高級イカとして名高いこの地域で白イカと呼ばれている剣先イカ。秋~春(春は親イカ)はイカの王様と評されるアオリイカ。真冬に揚がる細長く尖ったヤリイカ。また当地での水揚げ量は少ないですが夏にはコウイカ。
これらの旬の時期になると天橋立周辺のスーパーや鮮魚店には沢山のイカが並び、それを見て地元の人々は「そろそろ秋が来たんやね~」と季節を感じるわけです。特に秋イカとも呼ばれる「アオリイカ」はこの話の象徴的なイカと言えます。
エギング?釣りをされない方は初めて聞く言葉かもしれません。エギングとは「エギ」という海老のような形をした疑似餌(ルアー)を使った釣り方で、イカの群れが沿岸部に集まる時期になると大勢の釣り人で賑わいます。丹後は関西で屈指のエギングスポットとして有名です。
ただ残念なことですが一部の釣り人がゴミをそのまま放置して帰ったり、無断で私有地に入ったり(中には驚くほど酷い話も…)と、地域内でも大きな問題となっている側面もあります。私も釣りの愛好家です。釣り人の一人一人がマナーを守って釣りを楽しみたいものです。
何卒、ご協力お願い申し上げます。
イカの王様と呼ばれている「アオリイカ」。私自身が釣りの愛好家だからなのかもしれませんが、アオリイカはイカの中でも特別な存在です。秋口になると夜な夜な友人たちとイカ釣りに出掛けます(多い時は毎日…)。独特のアタリと強い引きがエキサイティングでやめられません(笑)。
そしてなんと言っても釣れたイカを持って帰って料理するのですが、お刺身、バター焼き、煮もの等、何で食べても肉厚があるのに柔らかくて甘みもあって堪らなく美味いのです。この美味さから地元の高級旅館や都市部の寿司店、料亭にまで直送されていると聞きます。
日本海のアオリイカは大きいもので1kgを超えます(暖かい地方ではもっと大きくなります)。アオリイカがイカの王様と呼ばれるのは、この大きさ、釣りの醍醐味、そして味、これらが総合的に備わったパーフェクトなイカだということなのかもしれません。
イカの王様と呼ばれ、イカの中で最高峰の味わいです。秋イカとも呼ばれています。
旬は一般的に秋~春(春は親イカ)とされていますが、丹後では9月後半~12月前半が最盛期。春は産卵の時期でペアの大型アオリイカが沿岸部に集まります。ただ、頻繁に港へ行きますが年々水揚げ量が減っている印象があります。獲れ始める9月は手のひらサイズ(100g程)で晩秋には300g~500g程に成長しています。一般的に適度に小さい方が身が柔らかく食感が良いと思います。個人的には一夜干しと言われる生に近い干物がアオリイカの持っている旨みを最大限引き出せる食べ方だと思います。
水揚げされてすぐに白くなる(薄いピンク色にもなる)白イカ。このイカの正式名は高級イカで知られる剣先イカです。
丹後では春~夏にかけて多く水揚げされています。アオリイカと見た目が似ており味も最高級なので白イカとアオリイカはよく比べられます。時期や大きさ、その時の水揚げ量にもよりますが、競り値はほぼ同等です。大きくなればなるほどキロ単価は上がります。産卵時期は11月以降。
甘みが強くお刺身で食べる人が多いですが、塩焼きにしたりバター焼きにしたり、火を入れることで更に甘みが増して美味しいです。
真冬に獲れるヤリイカ。名前のとおり槍のように細く長く尖った形をしています。冬イカと呼ぶ人もいます。身が透き通った大変綺麗なイカです。
アオリイカや白イカと比べて肉厚は無く、味は比較的あっさりしており、水揚げ量にもよりますが、競り値も比較的安くなります。雄は雌より大きくなり一目で見分けがつきます。食べ方はお刺身が美味です。身は薄いですがコリコリした食感とあっさりした旨みが口に広がります。数は少なくなりますが2月までは港で見かけます。
モッサリした独特な形をしたコウイカ。紋甲イカ(モンゴウイカ)と呼ばれることが多いですが本来紋甲イカとは雷イカを指しています。
丹後では夏にかけて水揚げされていますが、丹後の港で何十ケースも大量に獲れているのを見たことはありません。
食感はもっちり・ねっとりしており、肉厚があり甘みが強く大変美味です。身体の中には石灰質で出来た固い甲がありこれを取り除くのに、アオリイカ、白イカ、ヤリイカと比べて調理しにくい印象がありましたが、以前カウンター越しに拝見した料理人さんの手さばきには感心させられました。
当サイトにおいて、天橋立周辺で「地イカ」ランチのお食事処をご紹介しております。
お店ごとに特徴のある新鮮な地元産イカ料理を是非ともお召し上がり下さいませ。